性能を追求した自毛植毛

感染がひどくなると皮層が化膿し、自毛を移植しても育たなくなる状況を招いてしまいます。 たかが毛でも拒絶反応は必ず起こる人間には、細菌やウイルスなどの異物が体内に侵入してくると、それを排除しようとする「免疫」というシステムが備わっています。
人工毛も立派な異物です。 移植すれば当然、生体から拒絶反応が起こります。

移植されるとリンパ球などの免疫担当細胞が異物を認識して、排除してしまおうとするのです。 こうした拒絶反応を防ぐために使われるのが、「免疫抑制剤です。
異物を排除する免疫の仕組みを抑えて、移植した臓器が定着する手助けをするというわけです。 もちろん、免疫を抑えてしまうのですから、風邪をひきやすくなったり、ほかの病気にかかりやすくなったりといった副作用も出てきます。
臓器移植の場合も同じですが、その場合、ほかに治療法はなく、臓器移植だけが生存の可能性を期待できる最後の手段であることがほとんど。 生死がかかっているのですから、多少強い薬を使っても、生存の可能性を優先させるということは、ある意味当然でしょう。
薄毛は命にかかわる病気ではありませんから、副作用の強い免疫抑制剤を使うなど論外です。 ただ、毛が抜けるだけだったらまだよいのですが、免疫反応というのは外敵との戦いでもあります。
ケガをした時のように、植毛した一本一本が熱を持ったり、うみが出たり、かさぶたができたりすることだってあるのです。 患者さんの中には、以前人工毛の植毛を受けた方もいらっしゃいますが、一目でわかります。
頭皮が異物による炎症反応ででこぽこ、移植部位に垢や皮脂がたまり、悪臭を放っていたりするのです。 また、まるでやけどのあとのケロイドのようになる人さえもいます。
人工毛の移植は、百害あって一利なしと言っても過言ではありません。 人工毛の植毛が医学的に勧められないとしたら、残された手段は自毛移植ということになります。
自分の毛ならば拒絶反応は起こりませんから、その点では極めて安全です。 しかし、どこから自分の毛を採るのか、あるいは移植したら再度薄毛になるのではないかなど、疑問が出てくるのではないかと思われます。
しかし、そういった心配は無用です。 前章でも説明したように、男性型脱毛症では、額や頭頂部がどんなにハゲても、たいていの人は側頭部や後頭部の毛は残っています。

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